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2004年10月29日 (金)

『凶笑面』北森鴻

kyousyoumen.jpg

<蓮丈那智のフィールドファイル1>の副題有り。
大学の研究室に所属する異端の民族学者蓮丈那智(美貌)と、
助手である内藤三國のフィールドワークと、
ともなって遭遇する事件の数々。短編集。

シチュエーションやキャラが生かされている本で、面白さに厚みがあった。
特に「不帰室」が白眉。この密室はよくできてるー!決着も安易でなくて好き。

女王様と下僕、の発想で『ドラよけお涼シリーズ』田中芳樹 を思い出したけれど、
立ち位置と性格が違うと変わるものだなあ。
ミクニの今後が楽しみ。

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2004年10月27日 (水)

『世界音痴』穂村弘

4093873739世界音痴
穂村 弘

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歌人である穂村弘さんのエッセイ。
普段接することのない短歌(自作に限らず)が文末にそえてあって、
この人の短歌に対する、造詣(そりゃそうだ)や愛情が伝わる。

もうおうちへかえりましょうがすごく面白くて、
この本もそうなのだけど、↑の方がこなれているよう。
エッセイだって進化するのだから、物書きってスゴイ。

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2004年10月23日 (土)

『雨柳堂夢咄』波津彬子

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『雨柳堂夢咄』波津彬子 朝日ソノラマ刊

2004年10月23日現在、10巻まで刊行されています。
そんなにマンガを読むわけでもないのですが、ずっと読んでいるシリーズ。
1巻の刊行からなんと11年たってます。ひえぇ(ソリャアトシトルワケダ)。
骨董屋のおじいちゃんを手伝う健気な孫や、三文ペテン師や、もののけが出てきます。
キャラクターに親しんでいるからこそ、沁みる話が増える、シリーズの醍醐味。
下の欄と同じ形にしてみます。

suminiyaの「好き」。
つかず離れずの心地よい人間関係。
綺麗な話が多いけれど、実は題材にタブーがなかったりする意外性。
丁寧な絵の白黒のバランスが美しい。

「夜の子供」(眠れぬ夜の奇妙な話コミックス2巻)
モノローグや会話の入り方のテンポがよくて、
自分の中で大事にしたくなるようなお話。
「京助氏の災難」(眠れぬ夜の奇妙な話コミックス3巻)
どういう理由かわからないけれど、
波津さんがこういう化け物を描いている間はだいじょうぶ、などと勝手に思う。
「花の寺」(眠れぬ夜の奇妙な話コミックス5巻)
ちょっと泣ける。不細工な蛙がけなげで可愛い。
「午後の清香」(眠れぬ夜の奇妙な話コミックス9巻)
うまくひとつずつのエピソードがはまるのが気持ちいい。
茶壺の精が可愛くて、見える相手が限定されているのがポイント。
ショートだと、
「月の花影(3)」「花野(5)」「新月の客(5)」。
波津さんの作品の「カケアミ」処理はとっても美しい。

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『百鬼夜行抄』今市子

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『百鬼夜行抄』今市子 朝日ソノラマ刊

2004年10月20日、12巻が発売されました。
suminiyaの「好き」。

霊感があることを売りにせずに、日々どう過ごしていくか。
妖怪もの(?)だけれどひたすらゆるい。
今市子さんの絵がうまくて、着物姿や古くからの風習、道具など、
さくさく描かれている。
サザエさん状況にならず、移り変わっていくシチュエーションも楽しい。

「言霊の木」(眠れぬ夜の奇妙な話コミックス3巻)
律、司のそれぞれの性格と妖怪との接し方の違いがおかしい。
そしてお母さんのラストの締めがイイ。
「反魂術の代償」(眠れぬ夜の奇妙な話コミックス3巻)
ラブラブな晶と三郎の、陰に潜む切なさが見え隠れ。
「魔の咲く樹」「返礼」(眠れぬ夜の奇妙な話コミックス8、9巻)
けっこう残酷な話だ…、怖いし。
律が時間軸を移動しているのが印象的。

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『姫椿』浅田次郎

4167646048姫椿
浅田 次郎

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「凍てつく心を温める短編集」と書かれた帯が巻かれてる。

最初と最後の短編が良かった。本の構成って大事だなあ。
『鉄道員』『月のしずく』ほどのインパクトはなかった。
わたしが思う浅田さんの二面性…、
詐欺師のように優しい部分と破滅的な衝動の部分が、
極端に出ていないせいかもしれない。

一見(一読か…)投げっぱなしのようなのに、
実は話の中できちんと暗示、提示されている辺り、
直木賞作家の由縁。大衆文学ってだから好き。

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2004年10月20日 (水)

『犯人に告ぐ』雫井脩介

4575234990犯人に告ぐ
雫井 脩介

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連続自動殺人事件に対する警察の試み、劇場型捜査。
一度一線からの退場を余儀なくされた刑事が臨む。

推理小説というより、刑事小説だった。
(当然短歌や俳句でもない←10月17日の日記による)
ちょっとしたボタンの掛け違いで、
巻島刑事が言質をとられてどんどん追い込まれる
1章目の描写がよかった(切なくて辛いけど)。
警察組織や人間関係にリアルさがある分、
後半の荒唐無稽さに若干違和感があるけれど、
充分おもしろかった。
帯の推薦文の(伊坂孝太郎さんの)通り、一気読み。

Manaのありふれた日常日記さんへTBさせていただきました。

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2004年10月18日 (月)

ヘルボーイ

マイク・ミニョーラ原作のアメコミの、
原作ファンでもあるギレルモ・デル・トロ監督による映画。

http://www.uipjapan.com/hellboy/index.htm

主役ヘルボーイ=ロン・パールマンはほんとに原作そっくりだった…。
苦労してキャスティングしたそうだから、そのかいあったことでしょう。
とても五十四歳には見えなんだ。

ミニョーラの独特な色彩センスが
(仕事していると、引き合いに出されることが多いんだ、これが)
画面に出ていたかというと、もう一歩、という感じ。
監督の入れ込み具合が、シーンによってバラバラだった。
炎のシーンは美しかったな。

10点中5点。

この映画、きっと大切につくったんだろうな、
という好感で1点追加。
日本のみディレクターズカットで公開の2時間12分は長い〜。

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2004年10月17日 (日)

『春になったら苺を摘みに』梨木香歩

4104299022春になったら莓を摘みに
梨木 香歩

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梨木さんの書き下ろしエッセイ。
著作に出てくる、
「下宿」「外国籍の人」のわけがなんとなくわかる。
梨木さんにとっては自然のことみたい。

普段はせまい世界にいる自分が知らないだけで、
いろいろな人が、いろいろなところで、それぞれに生きている。
躊躇なくそれらと、いろいろな形の関係を築いている人もいる、と。

なかなか軽くないエピソードが多いけれど、それだけに、
『囁き声の アイ ラブ ユー』がとても綺麗な情景。

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本屋にて

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穂村弘さんのエッセイを探してました。
短歌、俳句のコーナー。
何故かあったこの本。
「うん、これはそういうことだな」。
買って帰りました。
素直だから。

hannnin2.jpg

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2004年10月12日 (火)

トゥー・ブラザーズ

身勝手な人間の行動により引き裂かれた、
二頭の兄弟の虎の数奇な運命を描いた…映画。

脚のぶっとい仔猫な虎が可愛い。
それにしても虎のマーキングって美しいな。

内容は…、人も虎もそれぞれの関係も、
中途半端にしか描かれていなかったので、
ちっとも感情移入ができませんでした〜。
虎の心理状態(笑)?がマンガちっくな撮られ方をしていて、
一瞬ギャグなのかと…。

10点中3点ぐらいかなあ。

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2004年10月 4日 (月)

『西の魔女が死んだ』梨木香歩

4101253323西の魔女が死んだ
梨木 香歩

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どちらが正しいとか間違っているとか、
決めつけずに進むところがバランス良くて好きです。
こういう児童書を子供の頃に読むと、
なかなかいいかもしれません
(その時には疑問に思うかもしれないけど)。
ただ、死後の世界については、
安易に語らない方がいい昨今なので、
そのあたりの判断は必要でしょうが。

食べ物や毎日のお洗濯などの日々の暮らしが、
昔ながらの段取りで描写してあって気持ちいい感じです。
『ドライフルーツをふんだんに使った
 どっしりしたパウンドケーキ』が食べたくなります。

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2004年10月 2日 (土)

『グラスホッパー』伊坂幸太郎

4048735470グラスホッパー
伊坂 幸太郎

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帯と内容が不釣り合いの気がする…。
(「でも僕は戦おうと思うんだ、
    君との記憶だけを武器にして」〜まあ確かに本文にあるけれど)
編集者的には仕方なかったのかな?

登場人物の軽妙なやりとりが楽しく、
最後まで一気に読めた。
伊坂さんて、人の心の暗部の描き出し(ギャップも含めて)に
執着しているように思うので、天気雨みたい。
本作は題材が嬉しくなかった。
嫌悪感までいかないのは、雰囲気づくりのおかげではあるだろう。

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2004年10月 1日 (金)

『ハチミツとクローバー』羽海野チカ

上司兼友人が貸してくれたコミック…。

ある人物を評して、
「青春再放送をみせつけられている気分」
という台詞があって、全編がそんな感じ。
でもこの再放送は、楽しくて一所懸命なので、
どーうせ青春スーツを<引用
(思い込みまちがった自信嫉妬未練熱血…)
脱ぎ捨てる日がくるのなら、
このぐらいやっておきたかったと思うのです。

洗練されていない絵でも、充分伝わってきます。
能書きよりもまず表現が大切、としみじみ感じ入りました。

身の丈180cm体重0.1tの上司兼友人、ありがとう。
…奥さんに借りたの?

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