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2005年5月24日 (火)

『夢の守り人』上橋 菜穂子

4035402303夢の守り人
上橋 菜穂子

by G-Tools

人の世界とは別の世界で花をつけ実をむすぶその"花"は、人の夢を必要としていた。一方、この世をはかなんでいる者は、花の世界で、永遠に夢を見つづけることを望んだ。いとしい者を花の夢から助けようと、逆に花のために魂を奪われ、人鬼と化すタンダ。タンダを命をかけて助けようとするトロガイとチャグム、そしてバルサ。人を想う心は輪廻のように循環する。(偕成社紹介より)

ユグノという放浪の歌い手(ジプシーのような吟遊詩人のような)が出てきて、この男が人間的にはしょうもないヤツで…。あれこれ周りをひっかきまわします。才能に秀でた人の無自覚の傲慢さ、身勝手さがよく出てます。
一作目に登場したチャグムも第二皇子である立場にもがいています。運命を呪い夢に囚われる人に対し、自らの意志でその生きる道を決めたトロガイ、バルサ、タンダ、ユグノ(もなんですよ!)の示す道しるべは押しつけでなく、それだけに受け取る側は己を問うことになります。
生まれや育ちで全てが決まるわけではないけれど、どのように受け入れて生きていくか。
その生き様は美しい?それとも醜いと思う?
この本を読んだ子供たちには、この問い掛けが文中の出来事だけに留まらずに届いて欲しいです。
チャグムの真摯な態度は周りの人の態度をも変えてゆきます。

人鬼と化したタンダがひどい目にあいます。鬼になっている間は感じない痛みも人に戻れば大ケガになる、当たり前のこと。話の展開はやや安易な部分もありますが、このリアリティがシリーズの骨太な感覚を支えているように思います。

引き続き、月着陸船さんにTB!

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コメント

>ユグノ(もなんですよ!)
そうでした。(笑)
ものすごく変な人ですけど自分で望んで選んだのですよね。
それとトロガイも女性だな~なんて思いました。失礼?

投稿: nao | 2005年5月24日 (火) 09時35分

naoさん
トロガイ、酷く醜い女であるなんて書かれてましたからね。
可憐な思い出が綴られて安心しました。
しかし次の巻を読むにつけ、懲りないユグノなのでした。

投稿: suminiya | 2005年5月26日 (木) 02時05分

続けてブクスト(+TB)させていただいております。
チャグムは良い子に育っていますよね~。

投稿: kumanomi_s | 2005年7月13日 (水) 00時16分

kumanomi_sさん

ブクスト(+TB)ありがとうございます(?)
なにやら、この後もチャグムの歩む道は険しそうです。

投稿: suminiya | 2005年7月15日 (金) 14時14分

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いとしい者を「花」の夢から助けようとして逆に花のために魂を奪われ、人鬼と化すタンダ。命をかけてタンダを助けようとするトロガイとチャグム、そしてバルサ。人と精霊の世界が混在する「守り人」シリーズ第3弾。(内容紹介より) 相変わらず強いバルサと、最近強くなってきたタンダ。チャグムに限らず、みんな成長したなぁと。 今回はトロガイの過去話とかもあり、さらに向こうの世界の様子も色々と明らかになってきます。 あ、あと珍しく(?)ちゃらちゃらした不評の芸術家も・・・。 みんな、大人になろうね、という話... [続きを読む]

受信: 2005年7月13日 (水) 00時11分

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