« 村上祥子のふんわりパン | トップページ | 『ギャラリーフェイク (32)』細野 不二彦 »

2005年5月13日 (金)

『精霊の守り人』上橋 菜穂子

4035401501精霊の守り人
上橋 菜穂子

by G-Tools

短槍使いの女用心棒バルサ。彼女が助けたのは、新ヨゴ皇国の第二皇子のチャグム。チャグムのからだには、ある異変が起こっていた。母親の第二王妃からチャグムを託されたバルサは追っ手によって傷を負い、薬草師のタンダの元へ。タンダとその師匠のトロガイは二人や皇国の人間が知り得ない情報を持っていた。チャグムを救おうとする側と皇国の利害が交錯する。

この世の<サグ>に対してもうひとつの世<ナユグ>。
皇子であるにも関わらず、皇国を脅かすものとして父親である帝に追われるチャグム。
まだ若いシェガは星読博士として皇国を支える存在であるうちに、やがて兄弟子との立場をも越えてその裏側を知る。
長く好き合っていてもどうにもならないバルサとタンダ。
などなど、答えが一つではない、あるいは正しい答えがないものがいろいろでてくるので、子供が読んでそこを感じ取るのに良さそう。
チャグムは<ナユグ>の水の守り人ニュンガ・ロ・イムの卵に作用されて、存在が危うくなる時がある。
読んでいると、薬草師、呪術師、星読博士、聖導師、卵食い、狩人…など魅惑の言葉が並んでいるので、こちらもふーっと危うく…。
そして、「からりと油であげられ、かむとジュッとうまい肉汁がでる鳥やら、牛の乳からつくられた複雑なうま味のある汁物やら」「米と麦を半はんにまぜた炊きたての飯に、このあたりでゴシャとよぶ白身魚に、あまからいタレをぬってこうばしく焼いた物がのっかり、ちょっとピリッとする香辛料をかけてある」「いい味がでるキノコの入った湯気のたつ山菜汁」「あつあつの鹿鍋」。
…児童文学に出てくる食物はいつもうまそう(実は鶏の唐揚げとシチューとかだったりするんだけど)。
バルサが女性であるハンディキャップをものともせずに強くて小気味いい。

1996年刊行の児童書で今もシリーズとして継続中、その第一弾。
つい先月にも蒼路の旅人が出てますが、第一弾刊行時十歳だった子供は、もう二十歳になってるぞ。大人になっても読める本(笑)

月着陸船さんで紹介されていた本。自分の感覚に合った物を探し出してくる本読みの嗅覚って、素晴しくてありがたい。感謝です!

|

« 村上祥子のふんわりパン | トップページ | 『ギャラリーフェイク (32)』細野 不二彦 »

コメント

>児童文学に出てくる食物はいつもうまそう
私も思いました。
ほんとに食べ物が美味しそうなんですよね。
読みながらよだれが出そうでした。

子どもから70代の大人まで、読者層が厚いみたいですね。
『神の守り人』のあとがきで著者が書いていました。
『蒼路の旅人』もそのうち読みますよー。

投稿: nao | 2005年5月13日 (金) 09時16分

naoさん
ご紹介ありがとうございました。
まとめて続きを「大人げない大人借り」(笑)してます。
三十代の女性主人公!バルサが好きです。
まっすぐ主人公に肩入れできるのも珍しいことのような気がします。

投稿: suminiya | 2005年5月14日 (土) 17時54分

お勧めにしたがって読みまして、TBさせていただきました。
なんかこれもシリーズ制覇しそうです。
私もものすごくお弁当に惹かれました(笑)

投稿: kumanomi_s | 2005年6月21日 (火) 09時49分

kumanomi_sさん
TBありがとうございます!
シリーズ通して美味しそうなものが出てきますが、
チャグムよりバルサ側の野趣ある食べ物により惹かれます。
庶民なので〜(笑)

投稿: suminiya | 2005年6月22日 (水) 02時31分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/40747/573849

この記事へのトラックバック一覧です: 『精霊の守り人』上橋 菜穂子:

» 「精霊の守り人」 上橋 菜穂子 [Diary of 食・飲・読・旅・潜・泊]
バルサが助けた少年は第二王子のチャグムだった。チャグムは100年に一度生まれる精霊を宿しているために、あらゆる者からねらわれていた。精霊が無事に生まれるとその100年は大きな災害や飢饉が起きないという。(内容紹介より) 良くお邪魔する読書Blog(たち)のところで、皆さんが読み始めているシリーズもの。図書館で見つけて借りてきました。 久しぶりの児童文学(なのか?)で、ファンタジー系(なのか?)で楽しかったです。 しかし、皆さんご指摘のとおり、30歳の女性が主人公、出てくる人たちも子供という... [続きを読む]

受信: 2005年6月21日 (火) 09時45分

» 「精霊の守り人」上橋菜穂子 [図書館で本を借りよう!〜小説・物語〜]
「精霊の守り人」上橋菜穂子(1996)☆☆☆★★ ※[913]、国内、小説、冒険小説、ヒロイック・ファンタジー、児童文学 ネットの本読み人仲間八方美人男さんオススメの上橋菜穂子。丁度、ネットのコミュニティでも話題になっていた守り人シリーズの第一作の本書を図書館に予約、読んでみた。 正直、ちょっと、期待しすぎたせいか新鮮な驚きには至らなかった。ファンタジーというよりヒロイック・ファンタジーと言ったほうが正しい。そう、栗本薫の「グイン・サーガ」のように。きちんと世界を創りあげていると..... [続きを読む]

受信: 2005年8月23日 (火) 18時06分

« 村上祥子のふんわりパン | トップページ | 『ギャラリーフェイク (32)』細野 不二彦 »