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2005年8月30日 (火)

『帝国ホテル厨房物語』村上 信夫

4532192382帝国ホテル厨房物語―
私の履歴書

村上 信夫

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つい先日に亡くなられた日本におけるフランス料理界の先駆け、村上信夫さんの自伝。いわゆる料理本ではない。本の構成としてベストではないかもしれないけれど、いつまでも読む価値の落ちない本だと思う。

戦前生まれの方のお話や本はとても面白いことが多い。文章の善し悪し以前に、半端ないスケールやバイタリティ、向上心に感心するばかり。厳しい時代を語る文は、むしろからりとしている。
がむしゃらに無茶苦茶に走り続け登り詰めた地位ではあるのだけれど、村上さんが本当に世渡りのうまい人であったならご自身のささやかな夢を実現できたことだろう。あのミクニ(蓮丈那智の助手ではない)さんが寄稿されていて、そんな村上さんのお人柄を偲ばせる序文を寄稿されている。

4167257033田宮模型の仕事
田宮 俊作

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この本も文章力を人生経験が凌駕していて面白かった。
幾つもの苦難を乗り越えた人にとっては、「ブーム過ぎ去りし後」は次の時代への準備期間であって脅威ではないらしい。

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2005年8月26日 (金)

『劫尽童女』恩田 陸

4334738559劫尽童女
恩田 陸

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父・伊勢崎博士の手で容易ならぬ超能力を与えられた少女・遥。彼ら親子は、属していた秘密組織「ZOO」から逃亡していた。そして、七年を経て、組織の追っ手により、再び戦いの中へ身を投じることに! 激闘で父を失った遥は、やはり特殊能力を持つ犬・アレキサンダーと孤児院に身を潜めるが—。殺戮、数奇な運命、成長する少女。彼女の行く手に待つのは何か?(Amazon紹介より)

ヤバい作品であった。↑実はこの紹介文はだいたい合っているので。

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2005年8月24日 (水)

マーサの幸せレシピ

B00008VH7Xマーサの幸せレシピ


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仕事は一流だが人付き合いの苦手な女性シェフが、母親を失った少女や人生を楽しもうとするイタリア人シェフと接するうちに、自分の人生を見つめ直していく様を描くハートウォーミングムービー。(Amazon紹介より)

料理のフレンチ、イタリアンの印象が強くて、かなり途中までドイツ映画だと思ってなかった…。
グランシェフのマーサはかなり我が強くて、気に入らない客に喧嘩を売ったり生肉をつきつけたりで困ったちゃんである。店にとって痛し痒しがあってもクビにならないのは、もちろん腕もあるだろうけれどお国柄もあるんだろう。シェフも客もお互いにクレームつけあって戦っている。
マーサはその性格設定でずっと硬い表情をしているのだけど、その分笑顔になった時がキレイ。美人な女優さんなのだけど、わりと立派な体格であった(その分リアルさは感じられる…、例えば売れっ子ハリウッドじょゆーがキャスティングされていたら、ただのコメディ映画になっちまいそう)。

ヨーロッパ映画らしく展開に抑揚がないというか抑制がきいている?ので、どこで感情の起伏があったのか気づけなかったりする。そのまま観ていると積み上げられていく画面でじわじわと腑に落ちていく。ラストの日々の点描でふんわりとまとまり、おしまい。なかなか後味の良い映画だった。10点中6.5点。
「シェフのいない厨房はただの台所だ」の台詞が好き。

ドイツ映画といえば。

B00005V2OQカスケーダー
ハーディ・マーティンス

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NO STANT! NO CG! NO STORY!
お気に入りおバカアクション映画。
アクションと繰り返し間抜けネタと、ヨーロッパらしい色づかい。時々すごくセンスのいいレイアウトがある。
主役のハーディ・マーティンスのアクションが抜群なのはもちろん、お転婆ヒロインが可愛い。

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2005年8月23日 (火)

『ハチミツとクローバー (8)』羽海野 チカ

4088652975ハチミツとクローバー (8)
羽海野 チカ

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新刊発売の車内吊り広告が出ていた。
本社会議だったので、移動がてら本屋に寄って購入。
ウキウキ上司兼友人に「出てたよ〜、買ったよ〜!」とじまんしたところ、
「オレも買ったよー、週末はハチクロカフェ(9月30日まで)に行く約束なんだー」←三十代男性、二人のお子さん持ち。
仕方ないので、N氏にもじまんする。
「ホラホラ出てましたよ〜、新刊〜!」
「あれ、オレ二〜三日前に買いましたけど」←四十代男性、二人のお子さん持ち。
むむ。乗り遅れていた?
そして現在はツレアイが読書中←三十代男性、通勤電車にて。

ずっと一方通行ループな恋心に変化が現れた8巻。
山田さんと理花さん(あと強いていえば山崎)に幸せになってもらえれば、それでいいの。相手は誰でもいいや。

アニメはいい線いってると思うのだけど、微妙な感覚の違いが歯がゆくて一度しか観ていないんである。

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2005年8月20日 (土)

『北欧のかわいいデザインたち』

4894444275北欧のかわいいデザインたち
―日用品をたくさん集めてみました

pieni kauppa

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北欧の日用雑貨、お菓子から郵便局まわりまで、主にパッケージデザインなどを写真とコメントで紹介する本。

とにかくデザインがよいのです。デザインそのものが商品の説明になっていることが多いです。眺めていると楽しいし、こうした日用雑貨をつい買い集めてしまう気持ちもわかります。

日本では小林製薬の商品のようなはっきりくっきりデザインでないと認知されないのはなんでなのかな〜。商品名もね〜。
視覚、色覚から情報を読み取る能力が北欧の人と違うのかな〜。
こんな色の感じこんな?(ムヅカシイ…)

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2005年8月18日 (木)

スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー

B0007Y9LAYスカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー


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鉄人28号みたいなロボットが軍団、わっかに広がる光線銃、戦闘機じゃぼん、アンジェリーナ・ジョリーはアイパッチ、萌え〜!なはずなのだけど…。
なんか駄目でした。途中から早送りにしてしまいました。
映画はジャンルごとに頭を切り替えて観られるタチなので話に中身がなくても耐えられるのですが(だってヴァンダムやセガールやドルフ・ラングレン好きだもん)、テンポの悪さには耐えられないようです。

監督は超新人超大抜擢だったようですが、もーちょっと演出を勉強させてあげるべきだったのではないかと思います。せっかくのアイディアも、頑張ってCGつくっても(たいそう平面的で密度の薄いおかしなパースとった画面や気持ち悪いカメラワークが多かったけど)、ブルーバックで演技しても、もったいねーったら。センスがいい分もったいねーったら。「キャシャーン」と似たような境遇の映画かもしれません。←意気込みとセンスは買うが、実力不足ってヤツ。

ジュード・ロウのレトロな美貌(好みではないのでよくわからんけど)とグウィネス・パルトロウのブロンドがとても綺麗に撮れています(が、彼女の運動神経のなさがカバーできていないので、すげー鈍くさいのがばれちゃって可愛そう)。アンジェリーナ・ジョリーのビジュアルもはまってます(でもフィルターかけすぎでみづらいぞ)。思えばブラピの新旧彼女の競演なのでした。守備範囲広いなー。

いつもは点数つけてるのですが、きちんと観られなかったのでナシにしました。
ちなみにあちこちでレビューを読んでみましたが、そんなには評判悪くない作品です。

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2005年8月17日 (水)

『愛がなくても喰ってゆけます。』よしなが ふみ

4872339363愛がなくても喰ってゆけます。
よしなが ふみ

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『西洋骨董洋菓子店』の作者による食にまつわるコミックエッセイ。
最初の自己紹介のコマのさばけっぷりに笑う。
(たぶんこの一文にひくようならご遠慮くださいの宣言だと思う)
食べることに並々ならぬ執着を燃やす作者の食べ歩きレポートと、周囲の人間関係が綴られている(まだ両方のバランスは模索中のよう)。ややこしいうんちくをこねくりまわすのでなく、事実とシチュエーションの羅列で「うま〜い!」と震えているストレートな感想が並ぶ。

かなり楽しく読んで何軒かは行ってみたいと思うけれど、お店の場所がかなり東京都下に固まっているのでこの地域に縁のない人にはどうなんだろう?作者は丸ノ内線沿線(荻窪寄り)にお住まいと見受けられる。でもって目黒か渋谷の辺りに友人か恋人がいる(いた…?)ような。

実はボーイズラブ系は得意でない(というかほぼ読んだことがない)のだけど、この本にも出ているO田N子さんのエッセイはすっげえ面白い。

4403540317海馬が耳から駆けてゆく〈1〉
菅野 彰

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「スポーツ新聞のエロ記事でいいから書く仕事がしたかった」。
このくらいの気概がなければ物書きになんかなれやしないだろう。
(いや、いますけどね。なんとなく書いてみたら書けちゃったらしいお人も。村上春樹氏とか京極夏彦氏とかブロンテ姉妹とか←例えが極端)

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2005年8月11日 (木)

シナモンロール

sinamonroll

村上祥子さんによる電子レンジパン。昨日のエントリーの本は書き下ろしの最新本で、自分の持っている本と基本の作り方が微妙に違う。それについては記述があって、「料理研究家は日々全身あるのみ、と思って堪忍してください」と。全くもってその通りなんである。

持っている本はこれ。

4522421087村上祥子のふんわりパン―こねない!35分からできる!電子レンジで30秒発酵
村上 祥子

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菓子パンって本当に菓子なんだなあ…、砂糖の量にビビった。

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2005年8月10日 (水)

納豆にまつわる電子レンジと自販機についての話題

4022614765すぐに使える 電子レンジの裏ワザ・決めワザ120
村上 祥子

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一冊あると便利かと思って手に取った本に、衝撃的(大げさ)なことが書いてあった。
『納豆→パックのまま冷凍可。ふたを取って電子レンジで解凍。』
そうなのか…、知らんかったよ。
零下では納豆菌が活動しなくなるという、至極もっともな説明。
ちなみに写真なしの文庫本で、イラスト解説つき。

ついでに納豆の自販機出現のニュースがあったので。
だるま食品(株)が茨城県ひたちなか市津田の「JAひたちなか津田直売所」にて販売。写真には「関東初」とあるのだけど、世界初じゃないのね?そうなのね?

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2005年8月 9日 (火)

『セイジ』辻内 智貴

4480803645セイジ
辻内 智貴

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純粋であるがゆえに、不器用な生き方しかできない男たち。彼らの思いがけない言葉と行動によって、人びとは人生の真実を知ることができる。太宰治賞最終候補作となった「セイジ」に、書き下ろし「竜二」を加えた、第二作品集。(Amazon紹介より)

辻内さんの作品を読んだのは『信さん』『いつでも夢を』に続いて三作目。
どこかけだるげで、でも信念を持った男が周囲に影響を与えながら不器用に生きている…という人物造形がどれも同じように感じる。デザイン学校卒、音楽活動の後文学賞受賞という作者の経歴(本に著者略歴がある)投影されたに違いない「竜二」は、読み手側にしてみると…(シラケテシマウノダ)。
淡々とした文体が合うようなら『いつでも夢を』の方が楽しめると思う。厚みのない話ではあるけれど、ちょっとタガの外れた登場人物たちがおかしい(TVドラマにしたら合うかも)。

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2005年8月 4日 (木)

『骨董屋征次郎京暦』火坂 雅志

4408534528骨董屋征次郎京暦
火坂 雅志

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昼は骨董屋の主。しかして、その正体は…!? 世も人も移りゆく京の町を舞台に、変わらぬ魅力を持つ骨董品をめぐる、様々な人間模様。傑作骨董時代小説シリーズ。『週刊小説』『ジェイ・ノベル』掲載を単行本化。(Amazon紹介より)
(また妙な紹介だな…↑正体は首突っ込みたがり巻き込まれタイプの骨董屋でしょう)

時代は移り、征次郎はあっさりざん切り頭になっている。
新しいものがもてはやされる時代に<骨董屋>の征次郎、<芸妓>の小染や知人たちはどうやって生きていくのか。戸惑いと迷いをちらりと見せつつも、主要な人物たちはふらりとなるのは色恋沙汰ぐらいなもので、淡々と自分たちの進むべき道を歩んでいる。
時代小説を読んでいると、貞操観念が今と違うので男の無道っぷりにむかっ腹をたてることが多かったりする(負けず嫌いなので潔癖であれというわけでなく、女も見返してやれぃと思うんである)。その点、征次郎はやや薄情ではっきりしない奴なのだけどまあ許してやろう(笑)
真贋だけが重要ではないといいつつ描写はそこに重点をおいているし、骨董=魔道の位置づけなのでどうも骨董の美しさや愛らしさが伝わってこないのが物足りないところ。

この本、前作より装丁がお洒落で素敵。

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2005年8月 2日 (火)

宇宙戦争

「ジュラシックパーク」を観た時にも思ったのだけど(特に2,3)、スピルバーグ監督は幾つか引き出しを持っていて、今回引いた引き出しが「パニック映画」だっただけではなかろうか…。
「ようし、次は恐竜でパニックだ!」「恐竜、それも翼竜で大パニック〜!」「今回は宇宙人だ、オチもあるしね!トムもパニックパニック〜!」とかそんなん。今回はオチをCG班にまかせてパニックに専念、楽しいなーみたいな。あのオチを膨らませてサイエンスフィクション映画にすることは可能だっただろうに。潔いったら。

なのでパニック映画としてみれば十分おもしろい。
大殺戮は容赦なく悪趣味だし、宇宙人や宇宙メカ(?)はマンガでわかりやすいし。
(宇宙人が稲妻に乗ってやってくるなんて〜)

丘でのあり得ないぐらいに密集した軍の攻撃シーンと踏切のシーンがお気に入り。かっちょいー!

warobtheworlds

この踏切の炎の列車シーンはほんとに好き。無駄がなくていいのだ。
10点中7点。そのうち0.5点はこのシーンのために(ちなみに特にストーリーには関係ない)。
家族愛よりまず自分(むしろトム以外が)とかトム・クルーズがあんまり役にはまってないとか(なんじゃあの格好…、パーカー+ブルゾンだって)、宇宙人関係に伏線要素が置き忘れすぎ足りなさすぎとか(主題のような気もするが)あれこれ薄っぺらいので、ドラマでなくパニック映像+衝撃のティム・ロビンス(そっくりさんかと思った)だけをみどころとする。

わりと熱くならずに語っているぼるしちさんのところにTBさせていただきました。

ところで、
「大阪では5体も倒したらしいぜ」の台詞を
「大阪ではオバちゃんが5体も倒したらしいぜ」に変えたら面白いと思うんだけど…(とツレアイが)。

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