« シナモンパンその1 | トップページ | 安眠はどこに? »

2005年11月26日 (土)

『おまけのこ』畠中 恵

4104507040おまけのこ
畠中 恵

by G-Tools

しゃばけシリーズ第四弾。五篇収録。
裕福な生まれ育ちの若だんなより、その周囲のにいるそれぞれの境遇を生き抜く人々のお話が胸に落ちてくる(いや、若だんながどうこうではなく…、物理的に動けないわけだからその他の人たちの働きが目に留まるわけで…)。
とはいえ、今回は表題作『おまけのこ』鳴家の大冒険につきる。きゅわわわわぁ〜っ!
鳴家たちが並んで、住まっている家を軋ませている様子が可愛い。ぎしぎし。
ぎゅわーっ!に対する若だんなの対応がとっても素敵なお話。

『こわい』の狐者異は、興味深い妖だ。ラストの描写なんか、身につまされてまさに怖い。『おまけのこ』に出てくる川の主にはささやかでも見返りが必要だし、このシリーズの馴れ合わない部分、身分制度(建前ではなく実際の上下)のせちがらさなどのやや突き放したところがわりと好き。そうそう思い通りにいかない世の中を、どう渡っていくか。若だんなや栄吉の前途は厳しそうなので、がんばってほしい。

あとは要望めいたものなので…。

さくさくシリーズが刊行されていくのは嬉しいことだけど、もうちょっと一作ごとにうまくなってもらえればなーと思う。
舞台設定と登場人物を整えるまではよいのだけど、その後はその状況を消化するだけになっている感じで、話の進行に意外性を感じさせられないというか…。『畳紙』『動く影』がその典型かな。段取り描写がたどたどしいこと(『動く影』の捜索、『ありんすこく』の吉原内などなど)、挿絵以上に情景や姿が伝わってこないことなども気になる。
設定の妙で人気のシリーズ、持ち味を崩さず更なる円熟味を期待!

|

« シナモンパンその1 | トップページ | 安眠はどこに? »

コメント

新作読まれたのですね!
確かに鳴家たちは可愛いです。読むのがすごく楽しみ。(また図書館の列が・・・)

要望も確かによくわかります(笑)そろそろ熟してきてもいいはずですよねぇ。

投稿: kumanomi_s | 2005年11月29日 (火) 20時57分

kumanomi_sさん

二作目も文庫で出てますね。
普段時代小説を読まない人も読んでいるであろうシリーズなので、もうちょっとを期待したいところです。

時代小説といえば、夜中のTV「イシバシレシピ」に
天ぷらの近藤さんが出ていて、また池波さんの本をひっくり返して読んでます。
この前紹介されていた「そうざい料理帖」も気になってるんですけどー。

投稿: suminiya | 2005年12月 1日 (木) 15時09分

やっと読んだので、TBさせていただきました。
やっぱり鳴家ですよね!(笑)

投稿: kumanomi_s | 2006年4月 6日 (木) 02時03分

kumanomi_sさん
TBありがとうございます!
「うちの子」の台詞が泣けます。ぎゅわわ。

投稿: sumi | 2006年4月 7日 (金) 12時34分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/40747/573942

この記事へのトラックバック一覧です: 『おまけのこ』畠中 恵:

» 「おまけのこ」 畠中 恵 [Diary of 食・飲・読・旅・潜・泊]
鳴家(やなり)が迷子? そのうえ若だんなが吉原の娘と駆け落ちだって? そりゃ、大変だっ! 愉快な妖怪人情推理帖。「しゃばけ」シリーズ第4弾。『小説新潮』掲載に書下ろしを加えて単行本化。(内容紹介より) 久々に読むとやっぱりかわいいなぁ・・・と思う妖怪ものがたり(え?ちがいます?) 今回はちょっとオチがついていない話もあったのだけど、最後の迷子の鳴家の可愛さにすべて許すって感じですね(笑) (Suicaのペンギンが欲しい私としては・・・ああ、あのコマーシャルの動くやつがついてくるのだった... [続きを読む]

受信: 2006年4月 6日 (木) 02時02分

« シナモンパンその1 | トップページ | 安眠はどこに? »