« 2006年3月 | トップページ | 2006年5月 »

2006年4月25日 (火)

『夜市』恒川 光太郎

夜市夜市
恒川 光太郎

by G-Tools

大学生のいずみは、高校時代の同級生・裕司から「夜市にいかないか」と誘われた。裕司に連れられて出かけた岬の森では、妖怪たちがさまざまな品物を売る、この世ならぬ不思議な市場が開かれていた。夜市では望むものが何でも手に入る。(〜以下略、Amazon紹介より)

日本ホラー小説 大賞受賞作。まず出だしが素敵なのでこの時点で作者の術中に嵌ったようなものである。夜市の開催を伝えるのが学校蝙蝠なんて言われてしまったら…、もう大期待。邦画ホラーの常套手段である脅かしはなくて、目に映る情景(=映らないはずのものでもある)を淡々と描写、後半に繋がる伏線を丁寧に仕掛けてゆく。とてもよくできたパズルで、大賞の選考委員たちはべた褒め。あんまりぴったりはまるので、自分的には逆に想像の余地がなくて受け容れるだけ(若干平坦な印象)になってしまったのだけど…。
「夜市」だけでなく、併録「風の古道」も素敵な作品。非道な人間が登場し、むごい状況を描きつつも汚らしくならない。ぬれ落ち葉が降り積もった山道を歩くような、闇と風と湿度を間近に感じる文章。友人とのエピソードがもの凄く効いていて、結構な結末なのに、読後感が悪くない。
二作ともかなり出来上がった作品で、作者の方向性がくっきり見えた気もするのだけれど、今後どのように裏切ってくれるのかが楽しみでもある。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2006年4月16日 (日)

『古道具 中野商店』川上 弘美

古道具 中野商店古道具 中野商店
川上 弘美

by G-Tools

『古道具』『骨董』と出てくるとつい品物たちにまつわるお話に期待してしまうのだけど、そういう本ではナイ。曇りと小雨の続くお天気のようなあいまいな空気感でじんわりと進んでゆく。主となるのは現実味の薄い「若者二人の恋愛」「さえない店主と愛人関係」と、あり得るかもしれないけれど「店主の姉と愛人」。とにかく三つともぜったいにしたくない恋愛の形であった。空虚な恋愛に対して、作者の川上さんは男女のからだの交わりについてかなり固執しているようで、行為についての考え方や経験、シチュエーションなどが列挙されていて、モロな描写よりある意味キツイ(他人のセックス観なんて、酒の席でも聞きたいもんじゃないよな〜)。読みやすさのわりに、後味に妙な空しさ重たさが。
で、ネットで探してみると、そんな感想を持った人はあんまりないらしい。ふんわりゆったり淡々とした幸福感…あたりがキーワードのようである。実は「センセイの鞄」を読んだ時にもこの本と同じような感想を持ったのだけど、うがちすぎなんだろうか、自分?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年4月 8日 (土)

ソーダブレッド

Sodabread引っ越して二週間、パンが焼けるようになると通常生活だなあと思いきや…、ネットを繋ぐまで至りませんでした。やっとのことですが、うーんしかしマウスはどこにいったんだろう?←ノートパソコンでトラックパッドを使うことになれていない(笑)パンは大好きなブログばーさんがじーさんに作る食卓ソーダブレッド。全て半量で粉は強力粉のみ、アレルギーのためクルミはなしです。半量なのに焼成時間を調整しなかったので皮がパリパリに…。でもバター無し、ヨーグルト多めのレシピは優しい美味しさでした。二月の一ヶ月ほどをお休みされていたかのブログ、とっても悔しくて心配してました。わたしの理屈なんて、わたしの(←勝手に…)じーさんとばーさんをいじめないでよ!ぐらいの程度でしかないわけですが、年輪を重ねた方は、事態の収め方も素晴らしかったです。三月から復活されて、また目眩のするような素敵レシピをご披露なさってます。レベルが高すぎてなかなかつくることまではできないのですが、毎日目にしているだけでタメになるのでした。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

« 2006年3月 | トップページ | 2006年5月 »